家庭用金庫の処分は、思わぬ落とし穴にはまる可能性があります。事前に注意点を知っておかないと、不要な手間がかかったり、高額な費用を請求されたり、あるいは不適切な方法で処分してしまったりすることがあります。ここでは、家庭用金庫処分で注意すべき落とし穴について解説します。最も多い落とし穴の一つは、「料金に関するトラブル」です。インターネットやマグネット広告などで見かけた不用品回収業者に安易に依頼した結果、当初提示された料金よりもはるかに高額な費用を請求された、といったケースが報告されています。「基本料金は安いけれど、出張費や運搬費、階上作業費、金庫の種類に応じた追加料金などが高額だった」「見積もりを曖昧にしたまま作業を始められ、後から高額な費用を請求された」など、様々な手口があります。金庫処分費用は、金庫のサイズや重量、設置場所、運び出しの難易度などによって大きく変動するため、事前に複数の業者から詳細な見積もりを取り、料金体系をしっかり確認することが非常に重要です。二つ目の落とし穴は、「不法投棄のリスク」です。悪質な不用品回収業者の中には、回収した金庫を適切に処理せず、山中などに不法投棄する業者が存在します。金庫は「適正処理困難物」であり、自治体の許可を得た業者でなければ適切に処理できません。もし回収を依頼した業者が不法投棄を行った場合、依頼者側も責任を問われる可能性があります。業者に依頼する際は、一般廃棄物処理業の許可を持っているか、会社の所在地や連絡先が明確か、実績や評判はどうかなどを確認し、信頼できる業者を選ぶことが不可欠です。三つ目の落とし穴は、「アスベスト含有のリスク」です。古い金庫の中には、耐火材としてアスベストが使用されているものがあります。アスベスト含有の可能性がある金庫を不適切に扱うと、健康被害を引き起こす危険性があります。アスベストが含まれているか素人が判断するのは難しいため、製造時期が古い金庫を処分する場合は、アスベスト処理に関する知識と設備を持った専門業者に依頼する必要があります。四つ目の落とし穴は、「開かない金庫を無理に開けようとして壊してしまう」ことです。